テイクアウトを強化するなら今|Googleビジネスプロフィールで「持ち帰りができる店」だと伝える
テイクアウトを始めたのに、思ったほど注文が入らない。容器も揃えた、メニューも作った、店頭にのぼりも出した——それでも近所の人が「あの店、持ち帰りやってたんだ」と後から気づく。
よくある話です。原因は商品ではなく、持ち帰りができることが、探している人に届いていないことにあります。
2027年4月に食料品の消費税が1%に引き下げられると、店内飲食10%との差は9ポイントに開きます。持ち帰り需要が動く可能性があるなら、商品づくりと同じくらい「見つけてもらう側」の準備が要ります。
この記事では、Googleビジネスプロフィール(GBP)で持ち帰り情報を整える手順を、公式ヘルプの記載にもとづいて整理します。費用はかかりません。今日から順番に進められる形にしました。
この記事の前提
- GBPの設定手順:Googleビジネスプロフィール ヘルプの記載(2026年9月時点)にもとづいています。仕様は変更される場合があります
- 税率の話:2027年4月からの引下げは、2026年9月15日の大綱で示された方針です。法案は未提出です
- 最終確認日:2026年9月18日
検索順位の決まり方をGoogleは公表していないため、本記事では設定による順位への効果を断定していません。
目次
なぜ今テイクアウトなのか——税率差と、大綱に書かれた支援
国税庁の軽減税率制度のページには、すでに次の注記が掲載されています。
※ 令和9年4月1日から令和11年3月31日までの2年間、飲食料品の譲渡について、消費税率が引き下げられます。
軽減税率の対象は「酒類・外食を除く飲食料品」です。店内飲食は対象外で10%のまま、持ち帰りは対象で1%。同じ料理でも、税込価格に差が出ます。
注目したいのは、2026年9月15日に閣議決定された大綱に、外食事業者向けの支援が名指しで書かれたことです。
特に、外食事業者については、テイクアウト等の多角化の支援を講ずるなど、外食と中食・内食の税率差による影響の及ぶ業態などを見極めた上で、的確な支援を講ずる。
ただし、大綱は同時に「予算編成過程において支援内容を具体化する」としています。金額も、要件も、公募の時期も、現時点では決まっていません。支援をあてにして設備投資を決めるのは、まだ早い段階です。
もう1つ、業界団体の指摘も押さえておきます。日本フードサービス協会は2026年9月10日の訴えで、持ち帰りへの転換について「衛生管理、新たな容器の手配、宅配のコスト増、オペレーションの複線化などの大きな事業者負担が必要」で、「税率引き下げが2年間限定の措置であるにもかかわらず、新たな投資を行うことにもなります」と述べています。設備や商品への投資から始めると、2年で回収できないリスクがある——この指摘は的を射ています。
逆に言えば、お金をかけずに今日からできる準備——情報を整えることは、支援の中身を待つ必要がなく、2年で終わっても損になりません。ここから先は、その話です。

手を動かす前に:持ち帰り情報が「ない」状態を確認する
設定を始める前に、5分だけ現状を見てください。スマートフォンで、自分の店名を検索します。
表示されたビジネスプロフィールで、次を確認します。
- 持ち帰りに対応していることが、どこかに書かれているか
- メニューが登録されているか。登録されている場合、持ち帰りできる商品がわかるか
- 持ち帰りの受付時間が、店内営業の時間と違う場合、その違いがわかるか
- 写真に、持ち帰りの容器に入った状態の料理があるか
ほとんどの店で、いくつかは空欄のはずです。空欄は「やっていない」と読まれます。探している人は、書かれていない店を候補から外します。
この確認は、オーナー本人ではなく初めて来る人の目線で見るのがコツです。自分の店の情報は、知っているから補って読めてしまいます。
ステップ1:サービスごとの営業時間を設定する
最初にやる価値が高いのがここです。
Googleのレストラン向けスタートガイドは、「宅配、テイクアウト、ドライブスルー、店舗受け取りなど、ビジネスで提供している特定のサービスについて、営業時間の詳細を設定」するよう案内しています。
つまり、店全体の営業時間とは別に、サービスごとの時間を持てるということです。
これが効くのは、実務が食い違っている店です。
- ランチは店内のみ、持ち帰りは夕方から
- 閉店1時間前で持ち帰りの受付を締める
- 仕込みの都合で、持ち帰りは特定の曜日だけ
こうした運用は、店にとっては当たり前でも、外からはまったく見えません。時間を分けて登録しておけば、「行ってみたら受け付けていなかった」という取りこぼしが減ります。
スタートガイドでは、あわせて住所、電話番号、ソーシャルメディアのリンク、営業時間の設定も案内されています。基本情報が正確であることが前提なので、ここも同時に見直してください。
ステップ2:メニューに持ち帰りの情報を載せる
Googleのヘルプによると、メニューエディタは「飲食ビジネスでご利用いただけます」と明記されています。
登録できるもの
ヘルプに挙げられているのは次の項目です。
- セクション名(前菜、デザート、メインコースなど)
- 料理名
- 説明
- 価格
- メニュー写真
- メニューURL
手順は、ビジネスプロフィールで「メニューを編集」を選び、「メニュー アイテムを追加」または「メニュー セクションを追加」から情報を入力して保存します。変更は24〜48時間で反映されるとされています。
テイクアウト文脈での使い方
ここが本題です。メニューエディタには「持ち帰り可」を示す専用の欄があるわけではありません。使えるのはセクションと説明です。
やり方は単純です。持ち帰りできる商品を、独立したセクションにまとめる。「お持ち帰りメニュー」「テイクアウト弁当」といったセクションを作り、そこに該当商品を入れます。セクション名は一覧で目に入るため、見ている人が数秒で「この店は持ち帰りをやっている」と判断できます。
説明欄には、選ぶときに必要な情報を短く入れます。容器のサイズ、保温の有無、受け取りまでの目安時間、予約の要否。店に電話して聞かないと分からないことを、先に書いておくのが目的です。
価格については注意が1つ。2027年4月以降、店内と持ち帰りで税込価格が変わる可能性があります。価格を表示する場所の1つとしてGBPのメニューも数えるようにしてください。切り替えのときに更新漏れが起きやすい場所です。
メニュー登録の操作そのものを詳しく確認したい場合は、GBPでのメニュー登録方法にまとめています。
なお、複数のプロフィールをまとめて更新する場合は Business Profile API の使用が必要とされています。また、Business Profile API で作成されたメニューがある場合、メニューエディタが利用できないことがあるとヘルプに記載があります。以前に業者へ依頼した経緯がある店は、編集できない原因がここにある場合があります。
ステップ3:注文の受け口を決める
「持ち帰りをやっている」と伝わった次に来るのは、どうやって注文するのかという疑問です。
Googleのヘルプ「オンライン注文オプションを管理する」によると、ビジネスプロフィールでは第三者プロバイダやカスタム注文リンクを追加・管理でき、優先するオンライン注文プロバイダを設定できるとされています。
手順は、ビジネスプロフィールで「デリバリー&テイクアウト」を選び、「プロフィールで注文を受ける」のオン・オフを切り替えます。
いくつか注意点がヘルプに書かれています。
- オフにすると、追加した注文オプションが表示されなくなる
- プロバイダが特定のオプションを提供していない場合、受け取り・配達オプションの切り替えができないことがある
なお、この機能の日本での利用可否について、ヘルプには明確な記載がありません(米国向けと米国以外向けの「Order with Google」の記載があり、地域によって表示のされ方が異なる旨が書かれています)。使えないと決まっているわけではなく、ヘルプに書かれていない、というのが正確なところです。自店のプロフィールで該当のメニューが出るかどうかを、実際に確認してみてください。
オンライン注文の仕組みが整わない場合でも、やれることはあります。電話番号が正しいこと、予約・注文用のページがあるならそのURLを設定しておくこと。スタートガイドでもメニューURLの管理に触れられています。受け口は1つでも、はっきりしていれば十分です。
ステップ4:写真で「持ち帰りの形」を見せる
Googleのスタートガイドは「内装、外装、料理全般の写真と動画をアップロードする」ことを案内しています。
ここで多くの店が見落とすのが、持ち帰った状態の写真がないことです。
店内で提供する皿の写真は揃っているのに、容器に詰めた状態の写真が1枚もない。すると見ている人は、何がどう入って届くのかを想像できません。弁当なのか、袋なのか、汁物はどうなるのか。想像できないものは選ばれにくくなります。
撮るべきものは3枚です。
- 容器に入った状態(ふたを開けた状態。中身の分量がわかるように)
- 持ち運ぶ状態(袋に入れた状態。量の見当がつくように)
- 受け取り場所(どこで受け取るのか。専用の窓口があるならその様子)
写真の撮り方や選び方の考え方は、Googleマップ写真・投稿の作り方で扱っています。
続けるための運用——月1回15分
ここまでの設定は一度やれば終わりますが、放っておくと実態とずれていきます。ずれた情報は、書いていないより悪い結果になります。行ってみたら違った、という体験は、次の来店をなくすからです。
続けるための現実的な形は、月1回15分の点検です。
1. 持ち帰りの受付時間は、いまの運用と合っているか
季節やスタッフの体制で締め時間が変わっていないかを見ます。
2. メニューに、いま出していない商品が残っていないか
終売した商品が残っているのは、営業時間の誤りと同じくらい実害があります。
3. 写真は、いまの容器・いまの盛りつけと合っているか
容器を変えたら差し替えます。
これ以上のことは、余裕があるときで構いません。情報の正確さだけは止めない——それが、費用をかけずに続けられる運用の基準です。
テイクアウトの整備は、Googleマップ上の見え方を整える作業の一部でもあります。全体像は飲食店のAI×MEO対策ガイドに、情報をどこに置くかの考え方はホームページとGBPの役割分担にまとめています。
まとめ
- 2027年4月以降、店内飲食は10%、持ち帰りは1%。同じ料理でも税込価格に差が出る
- 大綱には「外食事業者については、テイクアウト等の多角化の支援を講ずる」と明記された。ただし金額・要件・時期は未定なので、支援をあてにして投資を決めない
- 先にやるべきは、お金のかからない情報整備
- まずスマホで自店を検索し、持ち帰り情報の空欄を確認する。空欄は「やっていない」と読まれる
- サービスごとの営業時間を設定する。持ち帰りの受付時間が店内と違う店ほど効く
- メニューエディタは飲食ビジネスで利用可能。持ち帰り商品を独立したセクションにまとめるのが最短。反映は24〜48時間
- 説明欄には電話で聞かないと分からないこと(容器・保温・受け取り時間・予約の要否)を書く
- 注文の受け口は「デリバリー&テイクアウト」で管理する。日本での利用可否はヘルプに記載がないため、自店で表示を確認する
- 写真は容器・持ち運ぶ状態・受け取り場所の3枚。店内の皿の写真だけでは伝わらない
- 運用は月1回15分。受付時間・終売商品・写真の3点だけ見る
税率が動くかどうかにかかわらず、「持ち帰りができる店だと伝わっている」ことに損はありません。制度の続報を待つ間に、ここだけは進めておけます。
出典
- Google ビジネス プロフィール ヘルプビジネス プロフィールのレストラン向けスタートガイド(2026年9月17日確認)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプメニュー エディタについて(同)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプオンライン注文オプションを管理する(同)
- 国税庁軽減税率制度の概要(同)
- 一般社団法人日本フードサービス協会食料品の消費税率引き下げによる税率差拡大に対するJFの訴え(2026年9月10日・2026年9月18日確認)
- 内閣官房飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱(令和8年9月15日 閣議決定)
本記事のGoogleビジネスプロフィールに関する記述は、公式ヘルプの記載(2026年9月時点)にもとづいています。仕様は変更される場合があるため、最新の公式情報をあわせてご確認ください。検索順位の決まり方はGoogleが公表していないため、本記事では順位への効果を断定していません。税務上の判断は顧問税理士にご確認ください。
投稿者プロフィール
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飲食店専門のWEB集客支援を行う、matoka株式会社(東京都品川区西五反田)の編集チームです。
普段の仕事は、Googleビジネスプロフィールの運用と口コミ対応(MEO対策)、食べログ・ホットペッパーグルメなどグルメサイトの運用代行、SNS運用とホームページ制作、訪日外国人向けの多言語対応、AIを使ったMEO支援(droptip)、そして成果報酬型のインフルエンサーPR「clues restaurant」の運営です。
このブログには、その現場で実際に手を動かして分かったことを書いています。AI検索(ChatGPTなど)に自分の店がどう出るかの確かめ方、口コミ返信やGoogleマップ投稿の時短、グルメサイトとMEOの使い分け、多言語メニュー、求人票、決済まわりのリスクまで、テーマはすべて店舗からの相談が出発点です。
編集方針は2つあります。営業の合間にスマホで読んでも、その日のうちに1つ試せる形で書くこと。そして成果を保証せず、うまくいかない条件や向かない店舗も併せて書くことです。
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