飲食店のInstagramプレゼント企画の進め方|景品のルール・応募条件・やってはいけないこと

「フォロー&いいねで、ペアお食事券が当たる」。Instagramでよく見かけるプレゼント企画は、お店を知ってもらうきっかけになります。ただ、景品の金額や応募の条件によっては法律のルールが関わり、Instagram自体にも守るべきガイドラインがあります。知らずに始めると、後から企画を変えなければならなくなることもあります。

この記事では、飲食店がInstagramでプレゼント企画を行うときに知っておきたいルールを、Instagramのプロモーションガイドライン、消費者庁の景品規制、個人情報保護委員会のガイドラインをもとに整理します。そのうえで、企画の決め方から告知文、当選者への対応までの進め方を紹介します。

プレゼント企画で押さえる3つのルール

飲食店がSNSでプレゼント企画を行うときに関わるルールは、主に次の3つです。

  • Instagramのプロモーションガイドライン:Instagram上で企画を行うときの、主催者の責任や表示のルール
  • 景品表示法の景品規制:景品の最高額や総額の上限。応募の条件によって、かかるかどうかが変わる
  • 個人情報の取り扱い:当選者の住所や連絡先を集めるときのルール
飲食店のInstagramプレゼント企画で押さえる3つのルール(Instagramのプロモーションガイドライン、景品表示法の景品規制、当選者の個人情報の取り扱い)を並べた図

特に大事なのは、応募の条件を決める前に景品規制を確認することです。同じ「お食事券が当たる」企画でも、来店を条件にするかどうかで扱いが変わります。

Instagramのプロモーションガイドライン

Instagramでは、コンテストや懸賞などのプロモーションについて、ヘルプセンターで「プロモーションガイドライン」を公開しています。主なポイントは次のとおりです。

  • 責任は主催者にある:規約や応募資格の設定、関係する法令を守ることを含め、プロモーションを合法的に運営する責任は主催者が負う
  • Instagramとは関係がないことを示す:応募者がInstagramの責任を完全に免除すること、そしてInstagramが後援・支持・運営するものではなく、Instagramと関係がないことの表明を含める必要がある
  • 誤ったタグ付けをさせない:コンテンツに誤ったタグを付けたり、他の利用者にそうさせたりすることはできない。たとえば、写っていない写真に自分をタグ付けさせることは認められていない

告知の投稿や応募要項には、「本キャンペーンはInstagramが後援・支持・運営するものではなく、Instagramとは関係ありません」といった一文を入れておきましょう。

景品の金額と応募条件:景品表示法の景品規制

景品表示法では、お客様を引きつけるための景品に、最高額や総額の上限を定めています。どの上限がかかるかは、応募の条件が「取引(購入や来店)」に付随しているかどうかで変わります。

来店や購入を条件にしない企画

消費者庁の景品に関するQ&Aでは、アカウントをフォローして「いいね」を押すことで応募でき、景品は郵送する企画について、フォローや「いいね」は通常、商品の購入に直ちにつながるものではないため、他に取引につながる可能性が高い事情がない限り、景品規制の対象にならないとしています。購入や来店を条件とせず誰でも応募できる企画(いわゆるオープン懸賞)には、景品規制は適用されません。

来店や購入につながる企画

一方で、次のような企画は取引に付随するとされ、景品規制の対象になります。

  • 商品の画像や使用感を投稿すると当選確率が上がる企画(Q&AのQ19。一般懸賞の規制の対象)
  • 景品を受け取るためにお店に来店しなければならない企画(Q&AのQ20)

たとえば「当選したら、お店でお食事券を受け取ってください」とする企画は、来店が必要になるため取引に付随します。受け取り方法まで含めて、企画を決めましょう。

プレゼント企画の応募条件による違いを示した図。フォローといいねで応募し景品を郵送する企画は通常は景品規制の対象外、来店や購入が条件になる企画は景品規制の対象となり、最高額と総額の上限がかかる

上限額の目安

消費者庁の「景品規制の概要」では、上限を次のように定めています。

  • 一般懸賞(抽選など偶然性で景品を出すもの):最高額は、取引価額が5,000円未満なら取引価額の20倍、5,000円以上なら10万円。総額は、懸賞に係る売上予定総額の2%
  • 共同懸賞(商店街など複数の事業者で行うもの):最高額は取引価額にかかわらず30万円。総額は売上予定総額の3%
  • 総付景品(抽選によらず全員や先着順に出すもの):取引価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2。来店の先着順で配るものも総付景品に当たる

たとえば、客単価3,000円のお店が来店客の中から抽選でお食事券を出す場合、一般懸賞の最高額は取引価額の20倍までとなります。取引価額の考え方など、具体的な企画が当てはまるか迷ったときは、消費者庁の資料や相談窓口で確認しましょう。

当選者の個人情報の扱い

景品を郵送する企画では、当選者の名前や住所を集めることになります。個人情報保護委員会のガイドラインでは、懸賞の応募画面などで本人から直接個人情報を集めるときは、あらかじめ利用目的を示すことが求められています。

同委員会のFAQでは、懸賞付きの企画で集めた連絡先を、抽選や当選の連絡、景品の発送だけに使う場合は、集めた状況から利用目的が明らかな例として挙げられています。ただし、新しいサービスの案内などほかの目的に使うなら、利用目的を示す必要が出てくる場合があります。また、景品の発送が終わり、届かなかった場合の対応に必要な期間が過ぎたら、遅滞なく消去するよう努めることとされています。

実務で気をつけたいこと

  • 住所などはDMで聞くか、専用のフォームで集める。コメント欄に書いてもらわない
  • 「当選の連絡と景品の発送のみに使います」と、使い道を告知文に書いておく
  • 発送が終わったら、一定期間の後に削除する

企画の決め方と告知文に書くこと

ルールを押さえたら、企画の中身を決めます。次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. 目的を決める:フォロワーを増やしたいのか、新メニューを知ってもらいたいのか、来店につなげたいのか
  2. 応募の条件を決める:フォロー・いいねだけにするか、来店や購入を条件にするか。来店を条件にするなら景品規制の上限を確認する
  3. 景品を決める:お店に来たくなるもの(お食事券、看板メニューの詰め合わせなど)。目的に合わない高額な景品は、お店に関心のない応募者を集めやすい
  4. 期間と当選人数を決める
  5. 当選の連絡と受け取り方法を決める:DMで連絡するのか、郵送か、来店して受け取るのか

告知文に書いておきたいこと

  • 応募の期間と方法
  • 応募の条件(フォロー、いいねなど)と応募資格(年齢、地域など)
  • 景品の内容と当選人数
  • 当選の連絡方法と時期、連絡が取れなかった場合の扱い
  • 個人情報の利用目的
  • Instagramとは関係がない企画であること

当選の連絡はお店の公式アカウントからだけ行うことも書いておくと、お店をかたった偽アカウントへの注意喚起になります。投稿の見つけてもらい方は飲食店のためのInstagramハッシュタグ活用ガイド、Instagram集客の基本は飲食店のInstagram集客:最初にやるべき5つの基本で解説しています。

やってはいけない企画

プレゼント企画で避けたいのは、次のようなものです。

  • 写っていない人をタグ付けさせる:Instagramのガイドラインで、誤ったタグ付けをさせることは認められていない
  • 景品規制の上限を超える景品:来店や購入が条件の企画で、上限を超える景品を出さない
  • 口コミの投稿を応募条件にする:Googleマップでは、特典と引き換えにクチコミの投稿を求めることがポリシーで禁止されている。食べログの口コミガイドラインでも、対価を得ることやお店をPRすることを目的とした口コミの投稿は禁止されている
  • 当選者を発表しないまま終える:当選の連絡方法と時期を決めておき、必ず実施する

口コミは、見返りではなく自然にお願いする形にしましょう。考え方は店内ポップで口コミを自然に誘導する方法とデザイン例で紹介しています。企画中にもらったコメントへの返し方は飲食店のクチコミ返信の例文集|シーン別テンプレ10選と星1・クレーム対応フレーズも参考になります。

まとめ:応募条件を決める前にルールを確認する

Instagramのプレゼント企画は、お店を知ってもらうきっかけになります。始める前に、次の点を確認しておきましょう。

  • 企画を合法的に運営する責任は主催者にある。Instagramとは関係がないことを告知に書く
  • フォロー・いいねだけで応募でき、景品を郵送する企画は、通常は景品規制の対象外
  • 来店や購入が条件になる企画は、景品規制の上限(一般懸賞・総付景品など)を確認する
  • 当選者の情報は利用目的を示して集め、使い終わったら消去する
  • 誤ったタグ付けや、口コミの投稿を応募条件にする企画はしない

本記事は、Instagramのプロモーションガイドライン、消費者庁の景品規制の概要と景品に関するQ&A、個人情報保護委員会のガイドラインを、2026年10月24日時点で確認した範囲で整理したものです。内容は変更される場合があります。個別の企画が規制の対象になるかどうかは、消費者庁の資料や窓口、専門家にご確認ください。

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出典

いずれも2026年10月24日に確認。

投稿者プロフィール

matokaスタッフ
matokaスタッフ
飲食店専門のWEB集客支援を行う、matoka株式会社(東京都品川区西五反田)の編集チームです。

普段の仕事は、Googleビジネスプロフィールの運用と口コミ対応(MEO対策)、食べログ・ホットペッパーグルメなどグルメサイトの運用代行、SNS運用とホームページ制作、訪日外国人向けの多言語対応、AIを使ったMEO支援(droptip)、そして成果報酬型のインフルエンサーPR「clues restaurant」の運営です。

このブログには、その現場で実際に手を動かして分かったことを書いています。AI検索(ChatGPTなど)に自分の店がどう出るかの確かめ方、口コミ返信やGoogleマップ投稿の時短、グルメサイトとMEOの使い分け、多言語メニュー、求人票、決済まわりのリスクまで、テーマはすべて店舗からの相談が出発点です。

編集方針は2つあります。営業の合間にスマホで読んでも、その日のうちに1つ試せる形で書くこと。そして成果を保証せず、うまくいかない条件や向かない店舗も併せて書くことです。

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