MEO対策を業者に頼む前に確認すること|契約前チェックリスト(アカウントの持ち主・費用・報告)
「Googleマップの順位を上げます」という営業電話を受けたことはありませんか。MEO(Googleマップ対策)を外部に任せようと考えたとき、多くのお店は見積もりの金額から比べ始めます。ところが、契約後に困りやすいのは金額そのものより、「プロフィールの管理権を業者に握られていた」「何をしてくれているのか分からない」「解約したいのに手続きが進まない」といった、契約前に確かめておけば防げることです。
この記事では、MEOを業者に頼むと決めた方に向けて、契約前に確認したいポイントを6つに分けて整理します。根拠には、Googleが代理店などの事業者向けに定めている「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」を中心とした公式の説明を使います。見積もりや面談でそのまま使える質問リストも最後に付けました。
まだ「自分でやるか、頼むか」を決めていない場合は、先にMEO対策は自分でできる?自力でやる範囲と外注の判断基準で判断軸を確認しておくと、この記事のチェックが使いやすくなります。
目次
契約前に確認したい6つのポイント
MEOの業者選びで確認したいことは、次の6つに分けられます。どれも、契約書や見積書、面談での説明で確かめられる内容です。
- プロフィールの持ち主:お店が「オーナー」のままで、業者は「管理者」として入るか
- 作業内容と変更の連絡:何をするのか、プロフィールを変えるときに知らせてくれるか
- 報告の中身:Googleビジネスプロフィールの数字を、ほかのデータと分けて見せてくれるか
- 費用と契約・解約の条件:費用の内訳が書面にあり、解約時に管理権が戻るか
- 約束できないことの約束:順位の保証や「Googleと特別な関係」をうたっていないか
- クチコミの扱い:特典と引き換えにクチコミを集めるなど、ポリシー違反の手法を勧めていないか

この6つは、Googleが代理店やSEO会社などの事業者に求めているルールと重なります。業者側に守る義務があることなので、確認するのは失礼なことではありません。以下、1つずつ見ていきます。
①プロフィールの持ち主は誰か
最初に確かめたいのは、Googleビジネスプロフィール(Googleマップに表示されるお店の情報。以下、プロフィール)の「持ち主」です。プロフィールには、権限の違う2種類の利用者がいます。
- オーナー:情報の管理に加えて、利用者の追加・削除や、プロフィールの削除ができる。オーナーのうち1人が「メインのオーナー」になる
- 管理者:オーナーとほぼ同じ作業ができるが、利用者の追加・削除と、プロフィールの削除はできない
Googleのサードパーティ ポリシーでは、お店(顧客)が常にオーナーまたは共同オーナーの権限を持っていることを業者に求めています。推奨されている形は、お店がオーナー、業者が管理者です。すでにプロフィールがある場合は、業者にオーナー権限を渡すのではなく、管理者として招待します。
確認の仕方
- 契約前に「御社はオーナーと管理者のどちらで入りますか」と聞く
- プロフィールの「ユーザーとアクセス権」で、お店のアカウントがオーナーになっているかを自分の目で確かめる
- 業者から「ログイン情報(パスワード)を教えてください」と言われたら、管理者として招待する方法に切り替える。ポリシーでは、業者が顧客とパスワードを共有することを禁止している
招待の手順はGoogleビジネスプロフィールの管理者を追加する方法|権限の種類と注意点で解説しています。
開店前で、まだプロフィールがない場合も同じです。業者に作成を任せるときは、お店のGoogleアカウントでオーナーになれる形にしてもらいましょう。持ち主が業者のアカウントのままだと、解約するときに引き継ぎで困ることがあります。
②何をして、変更をどう知らせてくれるか
「MEO対策一式」とだけ書かれた見積もりでは、何をしてもらえるのか分かりません。作業の範囲は、項目ごとに書き出してもらいましょう。たとえば次のような項目です。
- 店名・住所・営業時間・カテゴリなど基本情報の整備
- 写真の追加・入れ替え
- 投稿(お知らせ・メニュー紹介など)の作成と頻度
- クチコミへの返信(下書きのみか、投稿まで行うか)
- ホームページやグルメサイトの表記との統一
ポリシーでは、業者はプロフィールへのすべての変更・編集をお店に知らせる必要があり、お店の同意なしに機能の設定を変えたり無効にしたりしてはいけないとされています。同意は書面やチェックボックスなどの積極的な形が必要で、口頭の同意では足りないとも書かれています。
クチコミ返信は特に確認を
ポリシーでは、クチコミへの返信にもお店の明示的な承認が必要とされています。返信はお店の印象を左右するため、「下書きを確認してから投稿するのか」「どこまで任せるのか」を契約前に決めておきましょう。返信の考え方は食べログのクチコミ返信、正解パターンとNG対応も参考になります。
業者は1社に絞る
Googleのヘルプでは、複数の業者を同時に試さず、1社ずつ試すよう勧めています。Googleに表示されるお店の情報は1つしかないため、複数の業者が同時に手を入れると、誰が何を変えたのか分からなくなるためです。
③報告の中身:何を、どの数字で見せてくれるか
任せたあとに成果を判断できるかどうかは、報告の中身で決まります。Googleのヘルプは、閲覧数やクリック数などのパフォーマンス情報を開示しないことを、注意すべき業者の兆候の1つに挙げています。
契約前に、報告書の見本を見せてもらいましょう。確かめたいのは次の点です。
- プロフィールの数字(表示回数、経路検索、電話、ウェブサイトへのクリックなど)が入っているか
- その月に行った作業と、数字の動きが対応して書かれているか
- 翌月に何をするかが書かれているか
- ほかのツールのデータが、プロフィールのデータと区別されているか
最後の点もポリシーに書かれています。業者は、ほかのプラットフォームのデータを、ビジネスプロフィールのデータと区別して報告する必要があります。独自ツールの「順位」と、Googleが出しているプロフィールの数字が混ざっていると、何が起きているのか判断できないためです。
Googleのヘルプでは、お店自身も月に1度はプロフィールのパフォーマンス(写真の更新状況、営業時間の正確さ、お客さまがどうやってお店を見つけたかの変化など)を確認するよう勧めています。報告を受け取るだけでなく、自分でも画面を開いて照らし合わせると安心です。成果が出るまでの時間の目安はMEOの効果はいつから?施策開始後の変化と確認方法で解説しています。
④費用の決まり方と、契約・解約の条件
プロフィール自体は無料のツール
まず前提として、Googleビジネスプロフィールは追加料金のかからないツールです。業者に払う費用は「管理や運用の作業」に対するもので、プロフィールの利用料ではありません。ポリシーでは、業者がこのことをお店に伝え、新規の顧客には契約前に書面で通知し、請求書に管理費用を明記することを求めています。無料のGoogleのサービスを有料と偽ることは禁止事項です。
費用は「何で変わるか」を聞く
費用の決まり方は業者によって異なります。たとえばmatokaでは、店舗数、ご依頼いただく作業の範囲、訪問の有無によって費用が変わります。金額だけを比べると、作業範囲が違う見積もりを並べてしまうことがあります。次のように、費用が変わる条件を聞いて、同じ条件で比べましょう。
- 月額か、初期費用+月額か、成果に応じた支払いか
- 月額に含まれる作業と、別料金になる作業
- 店舗が増えたとき、訪問が必要なときにどう変わるか
- 料金改定の条件(ポリシーでは、料金の突然または大幅な変更を避けるよう求めている)
Googleのヘルプも、契約前にサービス内容と費用を明記した契約書の正式なコピーを入手するよう勧めています。合意より高い料金を請求されることを、注意すべき兆候に挙げているためです。
解約したら、管理権が戻るか
見落としやすいのが解約時の扱いです。ポリシーでは、業者は解約の通知を受けてから7営業日以内に、お店のGoogleアカウントとの関連付けを解除し、お店が管理権限を取り戻せるようにする必要があります。契約書の解約条項に、次の点が書かれているかを確かめましょう。
- 契約期間と、途中解約の条件(違約金の有無)
- 解約時に、業者の権限を外してくれること
- 業者が作った写真や投稿文を、解約後もお店が使えるか
契約内容の判断に迷う場合は、契約書を専門家に確認してもらうことも検討してください。
⑤「約束できないこと」を約束していないか
営業トークで最も注意したいのが、順位の約束です。Googleは検索の公式ガイドで「Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません」と明言しています。サードパーティ ポリシーでも、Google検索やGoogleマップでの上位表示や掲載を保証することは、虚偽または誤解を招く主張として禁止されています。
次のような言葉を聞いたら、一度立ち止まりましょう。
- 「必ず1位にします」「○日で上位表示を保証します」
- 「Googleの認定業者なので特別な枠があります」「Googleから委託されています」
- 「契約しないとプロフィールが消えます」「今日中に決めないと枠がなくなります」
Googleの公式ガイドは、Googleとの特別な関係や優先登録をうたう業者に注意するよう呼びかけ、Googleは掲載順位について金銭を受け取らないと説明しています。ヘルプでも、Googleの社員を名乗る相手には名前を確認し、「@google.com」のアドレスからメールを送ってもらうよう勧めています。また、契約しなければプロフィールを失うと脅すことや、契約を結ぶよう不当に圧力をかけることは、ポリシーで禁止されています。
なお、「順位を保証しない」業者が頼りないわけではありません。順位を決めるのはGoogleで、業者にできるのは情報を整え、お店が選ばれる材料を増やすことです。期待できる成果と、それをどの数字で測るのかを具体的に説明してくれるかどうかで判断しましょう。
⑥クチコミの増やし方に、ポリシー違反がないか
「クチコミを増やします」という提案には、方法を必ず確認しましょう。Googleマップのポリシーでは、金銭や物品と引き換えに書かれたクチコミは禁止されています。お店側が、クチコミの投稿や、否定的なクチコミの修正・削除と引き換えに特典を提供することも禁止です。
たとえば「クチコミを書いてくれたらドリンク1杯サービス」という案内も、特典との引き換えにあたります。違反したクチコミは削除の対象になり、お店の信頼も損ないます。クチコミは、来店したお客さまに自然にお願いする形が基本です。お願いの仕方はお客様にクチコミをお願いしづらい…その解決法とは?で紹介しています。
業者が提案するクチコミ施策について、「その方法はGoogleのポリシーに沿っていますか」と聞いてみてください。根拠となる公式の説明を示してくれる業者なら、ほかの施策も信頼しやすくなります。
見積もり・面談で使える質問リスト
ここまでのポイントを、そのまま聞ける質問にまとめました。答えを書き留めておくと、複数の業者を同じ基準で比べられます。
権限・作業について
- プロフィールには、オーナーと管理者のどちらで入りますか
- 月額に含まれる作業を、項目ごとに教えてください
- プロフィールを変更するとき、事前に知らせてもらえますか。承認はどの方法で行いますか
- クチコミへの返信は、下書きを確認してから投稿しますか
報告・成果について
- 報告書の見本を見せてもらえますか
- どの数字で成果を測りますか。変化が出るまで、どのくらいの期間を見込みますか
- その施策の根拠になるGoogleの公式の説明はありますか
費用・契約について
- 費用は何によって変わりますか。別料金になる作業はありますか
- サービス内容と費用を書いた契約書を、契約前にもらえますか
- 解約の条件と、解約後に権限を外してもらう手順を教えてください
Googleの公式ガイドは、ほかにも過去の作業のサンプルを見せてもらうことや、変更点や助言の理由を説明してもらうことを勧めています。説明を渋る、目的を明確にしないといった対応も、判断の材料になります。
また、Googleのサードパーティ ポリシーに違反している業者がいる場合は、Googleの「サードパーティ ポリシー違反の報告」フォームから報告できます。
まとめ:比べるのは金額より「透明さ」
MEOの業者選びでは、金額より先に「透明さ」を比べることが大切です。お店がオーナーのままでいられるか、何をしてどう知らせてくれるか、数字で報告してくれるか、費用と解約の条件が書面で示されるか。どれも、Googleが業者に求めているルールに沿って確かめられます。
- お店がオーナー、業者は管理者として入る
- 作業内容を項目ごとに書いてもらい、変更は事前に知らせてもらう
- 報告書の見本で、プロフィールの数字が入っているか確かめる
- 費用が変わる条件と、解約時に権限が戻ることを契約書で確認する
- 順位の保証や、特典と引き換えのクチコミ集めを勧める業者は避ける
自分でできる作業と任せる作業を分けて、一部だけ頼む方法もあります。迷ったら、MEO対策は自分でできる?の判断基準に戻って整理してみてください。MEOの基本的な施策は飲食店のMEO対策5選でまとめています。
本記事に記載したGoogleのポリシーやヘルプの内容は、2026年10月14日時点で公式ページから確認できた範囲の整理です。内容は変更される場合があります。契約の前に、必ず最新の公式情報をご確認ください。また、本記事は個別の契約に関する法的な判断を示すものではありません。
出典
いずれも2026年10月14日に確認。
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー」
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「サードパーティと連携してビジネス プロフィールを管理するためのヒント」
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナーと管理者を管理する」
- Google 検索セントラル「SEO 業者に依頼する際のヒント」
- Google マップ ユーザー投稿コンテンツのポリシー「禁止または制限されているコンテンツ」
投稿者プロフィール
-
飲食店専門のWEB集客支援を行う、matoka株式会社(東京都品川区西五反田)の編集チームです。
普段の仕事は、Googleビジネスプロフィールの運用と口コミ対応(MEO対策)、食べログ・ホットペッパーグルメなどグルメサイトの運用代行、SNS運用とホームページ制作、訪日外国人向けの多言語対応、AIを使ったMEO支援(droptip)、そして成果報酬型のインフルエンサーPR「clues restaurant」の運営です。
このブログには、その現場で実際に手を動かして分かったことを書いています。AI検索(ChatGPTなど)に自分の店がどう出るかの確かめ方、口コミ返信やGoogleマップ投稿の時短、グルメサイトとMEOの使い分け、多言語メニュー、求人票、決済まわりのリスクまで、テーマはすべて店舗からの相談が出発点です。
編集方針は2つあります。営業の合間にスマホで読んでも、その日のうちに1つ試せる形で書くこと。そして成果を保証せず、うまくいかない条件や向かない店舗も併せて書くことです。
集客の困りごとは、matoka.co.jp のお問い合わせページからご相談いただけます。






