複数店舗のGoogleビジネスプロフィール管理|拠点グループと一括管理の使い分け
2店舗目を出したあたりから、Googleビジネスプロフィールの管理は急に面倒になります。店舗ごとに別のGoogleアカウントで登録してしまった、共通アカウントのIDとパスワードを店長どうしで回している、誰が何を編集したのか分からない——多店舗化した飲食店でよく起きる状態です。
Googleには、この状況のための仕組みが用意されています。ビジネス拠点グループと、一定規模から使える一括管理です。そして一括管理には「10拠点以上」という明確な線があります。
この記事では、店舗数に応じてどの方法を使うかを整理します。なお「1つの店舗を複数人で運用する」話は論点が別なので、そちらは別記事に譲ります。
目次
前提|「複数店舗」と「複数人」は別の話
混同されやすいので先に分けます。
| 論点 | 内容 | 扱う記事 |
|---|---|---|
| 複数人 | 1つのプロフィールを店長・本部・外部業者などで分担する | GBPの管理者を追加する方法 |
| 複数店舗 | 複数のプロフィールを1つの組織としてまとめて持つ | この記事 |
多店舗の会社では両方が同時に必要になります。まず器(拠点グループ)を作り、そのうえで人に権限を配る、という順番で考えると整理しやすくなります。

支店は統合しない|拠点ごとに1プロフィール
最初に確認しておきたいのが、「支店の情報は1つにまとめるべきか」という点です。答えはまとめないです。
Googleのガイドラインでは「ビジネス プロフィールはビジネスにつき 1 つのみ作成します」とされ、同時に「アカウントが同じか別かに関わらず、ビジネスの拠点ごとに複数のページを作成することはできません」とも定められています。
つまり拠点ごとに1つずつプロフィールを持つのが正しい状態であり、3店舗あればプロフィールも3つです。同じ店の情報が二重にある「重複」とは別の話なので、統合しないでください。
整理すべきなのはプロフィールの数ではなく、それらを誰がどう管理するかです。
アカウントの共有をやめる|ビジネス拠点グループ
多店舗の飲食店でいちばん多い危険な運用が、共通のGoogleアカウントのIDとパスワードを店長どうしで共有することです。退職者が出たときに権限を切れず、誰が編集したのかも追えません。
この状況について、公式ヘルプは代替手段を明確に示しています。
(ビジネス拠点グループは)プロフィールの共有フォルダのようなもの
現在アカウント認証情報を共有している場合、より安全な協業方法として推奨されています
ビジネス拠点グループは、複数のプロフィールを入れておく「共有フォルダ」です。フォルダに対して人を招くので、アカウントそのものを渡す必要がなくなります。
作成の流れは次のとおりです。
- ビジネスプロフィールマネージャーにログインする
- グループを作成する
- グループ名を入力する
- 作成を完了する
権限について、公式ヘルプは「管理者もオーナーも、ビジネス拠点グループ内でプロフィールを作成、編集、削除できます」と説明しています。管理者でも削除ができる点は、権限を配る前に把握しておいてください。誰にどの権限を渡すかの考え方はGBPの管理者を追加する方法|権限の種類と注意点にまとめています。
10拠点以上なら一括管理が使える
店舗数がさらに増えると、1店ずつ画面を開いて直す運用が限界を迎えます。ここで使えるのが一括管理です。ただし、利用には条件があります。
ビジネス拠点が 10 以上ある場合は、一括で追加、オーナー確認、管理できます。
10拠点以上が線です。2〜9店舗の段階では一括管理の対象にならないため、拠点グループで運用します。
10拠点以上で使えるようになると、スプレッドシートで全店舗の情報を一箇所に入力して一括確認ができ、追加・削除・編集もスプレッドシート上で行ってアップロードすることで最新の状態を保てます。
一括オーナー確認には、公式ヘルプで次の条件が示されています。
- ビジネスのドメインと同じメールアドレスの使用が推奨される
- ビジネスグループを作成する必要がある
- 自社と自社ビジネスの情報を記載したフォームを送信することが求められる
審査や反映に要する期間は公式に示されていないため、この記事では日数を示しません。
店舗数別|どれを使うかの判断
| 店舗数 | 推奨する管理方法 |
|---|---|
| 1店舗 | プロフィール1つ。担当者が増えたら権限を追加する |
| 2〜9店舗 | ビジネス拠点グループにまとめ、店長には権限を付与する(アカウントは共有しない) |
| 10店舗以上 | 拠点グループ+スプレッドシートによる一括管理を検討する |
店舗数が増えてから整理するより、2店舗目を出す時点で拠点グループを作っておくほうが、後の移行が楽になります。
多店舗運用でつまずきやすい点
グループの削除は取り消せない
公式ヘルプでは、ビジネス拠点グループの削除は取り消し不可と案内されています。整理のつもりで消すと戻せません。不要になったグループは、消す前に中身の移し先を決めてください。
スプレッドシートはグループごとに分かれる
「グループごとに専用のスプレッドシートが必要」で、複数のグループを使う場合はそれぞれで読み込む必要があります。1枚のシートで全グループを串刺しにする運用はできません。グループの切り方は、後から変えると手間が増えるため最初に決めておきます。
店名の表記が店舗ごとにばらつく
多店舗で最も起きやすいのが、店名の表記ゆれです。「〇〇 渋谷店」「〇〇渋谷」「〇〇 渋谷支店」が混在すると、利用者にも検索エンジンにも同じブランドだと伝わりにくくなります。店名にキーワードを足したくなる場面もありますが、その扱いには注意点があります。MEOキーワードの入れ方|店舗名に入れても大丈夫?効果と注意点を確認してください。
各店の情報メンテが後回しになる
グループを作っただけでは情報は新しくなりません。営業時間・定休日・写真は店舗ごとに実態が違うため、更新のタイミングを決めておく必要があります。確認項目は営業時間のミスで機会損失?GBPの情報修正チェックリストが使えます。
よくある質問
Q. 支店ごとにプロフィールを分けると、評価が分散しませんか。
拠点ごとに1つ持つのがガイドライン上の正しい状態です。分けないという選択肢はありません。各店のクチコミはその店に対する評価として蓄積されます。
Q. 3店舗ですが一括管理は使えますか。
使えません。一括での追加・オーナー確認・管理は「ビジネス拠点が10以上ある場合」と公式に定められています。拠点グループで管理してください。
Q. 店長にアカウントのパスワードを渡すのはダメですか。
公式ヘルプは、認証情報を共有している場合の「より安全な協業方法」としてビジネス拠点グループを推奨しています。パスワード共有ではなく、権限の付与に切り替えてください。
Q. 管理者に任せて大丈夫でしょうか。
グループ内では「管理者もオーナーも、プロフィールを作成、編集、削除できます」とされています。削除まで可能な点を踏まえて、渡す相手を決めてください。
Q. すでに店舗ごとに別アカウントで登録してしまいました。
拠点グループを作り、そこへプロフィールを移す形で整理できます。ただし、この過程で新しいプロフィールを作り直さないでください。所在地やオーナー権限が変わる場面でも、新規作成しないよう公式に案内されています。
まとめ
- 「複数店舗」と「複数人」は別の論点。器を作ってから人に権限を配る
- 支店は統合しない。拠点ごとに1プロフィールが正しい状態
- アカウントのパスワード共有はやめ、ビジネス拠点グループへ移す。公式が「より安全な協業方法」として推奨している
- グループ内では管理者も削除ができる
- 一括での追加・オーナー確認・管理は10拠点以上から
- グループの削除は取り消せない。スプレッドシートはグループごとに分かれる
- 店名の表記統一と、各店の情報更新のタイミング決めは早めに
店舗が増えるほど、1店ずつの丁寧さは保ちにくくなります。仕組みで支えられる部分を先に仕組みへ移しておくことが、多店舗運営でのMEOの土台になります。
本記事の内容は、Google ビジネス プロフィール ヘルプの記載(2026年8月時点)にもとづいています。仕様や画面の表記は変更される場合があるため、実際の設定前に最新の公式ヘルプをご確認ください。一括アップロードの反映や審査に要する期間は公表されていないため、本記事では日数を示していません。
投稿者プロフィール
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飲食店専門のWEB集客支援を行う、matoka株式会社(東京都品川区西五反田)の編集チームです。
普段の仕事は、Googleビジネスプロフィールの運用と口コミ対応(MEO対策)、食べログ・ホットペッパーグルメなどグルメサイトの運用代行、SNS運用とホームページ制作、訪日外国人向けの多言語対応、AIを使ったMEO支援(droptip)、そして成果報酬型のインフルエンサーPR「clues restaurant」の運営です。
このブログには、その現場で実際に手を動かして分かったことを書いています。AI検索(ChatGPTなど)に自分の店がどう出るかの確かめ方、口コミ返信やGoogleマップ投稿の時短、グルメサイトとMEOの使い分け、多言語メニュー、求人票、決済まわりのリスクまで、テーマはすべて店舗からの相談が出発点です。
編集方針は2つあります。営業の合間にスマホで読んでも、その日のうちに1つ試せる形で書くこと。そして成果を保証せず、うまくいかない条件や向かない店舗も併せて書くことです。
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